うつ病が長期化した原因と対策・その2(人付き合い編)【さぶらの体験談】

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うつ病が長期化した原因と対策2「人付き合い苦手」
うつ病
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1週間くらい前に筋トレを始めて以来、常に体のどこかが筋肉痛のさぶらでございます。

うつ病を患っている人の中には、「人付き合いが苦手でしょうがない」という方も結構多いんじゃないでしょうか。
かくいうさぶらも、その1人です。

人付き合いが苦手といっても、いろいろなタイプの苦手さがあると思います。
人付き合いによって自由な時間が減ってしまうから、という理由で苦手としている人もいれば、気を遣うのが疲れるからという人、嫌われないようにするだけでヘトヘトになってしまうから、という人もいるでしょう。
いずれにせよ、それが病んでしまう原因になるくらい大きなストレスを生み出しているのなら、早急に何らかの対策を講じる必要があります

というわけで、長期化しているうつ病に対するアプローチの例示と説明のために、さぶら自身の体験談を晒そうという企画の第2弾です。
今回取り扱う原因は「人付き合いが苦手すぎた」。
前回と同様に、以下の構成でお送りします。

  • 「人付き合いが苦手」であることが、うつ病長期化の原因になった理由
  • 「人付き合いが苦手」であることへの対処法
  • 「人付き合いが苦手」であることに対処する上での注意点

実際に行われた対処の例として、ぜひお役立てくださいませ。

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苦手な人付き合いが長期化の原因になった理由

まずは、さぶらの「人付き合いが苦手」という面が、どうして病んでしまうほどのストレッサーになってしまっていたのか、その理由についてお話してみようと思います。

「そんなのいいから対処だけ知りたい!」という方は、遠慮せずにすっと飛ばして、こっちから読み進めてみてください。

今から「人付き合い苦手自慢」をします!

さぶらは人付き合いが苦手です。
どのくらい苦手かについては、クチや文章で説明するよりも、実際の人付き合い苦手エピソードを見てもらったほうが話が早いのではないかと思います。

すごくいっぱいありますよ。

  • リアルの友人が2、3人しかいない
  • ネットの友人も2、3人しかいない
  • 友人が少なくても、まったく困っていない
  • むしろ友人を量産する意味が分からない
  • 用もないのに自分から人に連絡をするのが苦痛
  • ものすごく電話が嫌い
  • 同僚や知り合いとの、街中でのエンカウント(不意の遭遇)を積極的に避ける
  • 同僚や上司に話しかける際は、30分~1時間かけて準備(覚悟)する必要がある
  • 自分以外の同僚がみんなで世間話をしはじめると死にたくなる(当然自分からは混ざれない)
  • 1週間くらい他人と会話をしなくても平気(むしろ快適)
  • 人の目を見て話せない(目を見てるフリをする)
  • 無理して他人と話していると、ときどき表情が笑顔のまま硬直してしまう
  • キョドって話した後、話した内容をほとんど覚えていない
  • 生まれてこのかた大人数の会議で発言したためしがない
  • 大きな声で呼びかけたりできない
  • 休憩時間やランチは常に1人
  • 「便所飯」という言葉が生まれる遙か以前に、便所飯経験済み(専門学校時代)
  • たばこ部屋に先客がいるとイラッとする(喫煙者時代)
  • 会社の飲み会とか絶対に行きたくないけど、波風を立てたくないのでガマンして参加する
  • 波風を立てられないので、「飲み会の途中で帰る」という選択肢はない
  • 飲み会中のトイレで、どっと疲れが出る
  • 2次会を避けるため、飲み会終了直後の混乱に紛れて人知れず無言帰宅する
  • 無言帰宅に失敗すると、軽く絶望する
  • 休日に会社のバーベキューなんかがあっても基本は誘われないが、誘われたら全力で断る(飲み会よりも遙かにダメージが大きいので)
  • 社員旅行も全力で参加拒否(致死量のダメージになるので)
  • お世辞とか口が裂けても言えないし、逆に問題点の指摘もできない
  • 確実に反応してもらえるタイミングでしか発言しない
  • 外出する暇があるなら家で引きこもっていたい
  • 意見したり主張をしたりなどは、頼まれない限りしない

人と協力し合わないと成り立たない仕事

さて、このように同僚と長時間過ごしたり、主張したりされたりなど、関わり合うことすべてが苦手なさぶらですが、職業柄そうもいっていられませんでした。

なぜなら、さぶらの当時の職業はシステムエンジニア。
顧客が求めているシステムを、複数人で協力し合って作り上げる、いわゆるITのお仕事です。
ITと聞くと難しく感じるかもしれませんが、やっていることは部品の組み立てなんかと同じです。
つまり、メンバーが個々で部品を作っておいて、最後にみんなで組み上げる、というようなことをします。
「墨俣の一夜城」みたいな感じですね。

部品を組み上げて形にするためには、あらかじめメンバーと打ち合わせをしておいて、組み上げられるように部品を作る必要があります(接続部分の形を合わせるなど)。
もちろんそういった内容は、基本的には設計書を見ればわかることです。
しかし残念なことに、中には設計書どおりには行かないことや、そもそも設計書がない(!?)こともあります。
そのため、メンバー同士の綿密なコミュニケーションが必要になるのです。

業務に支障が出るレベル

しかしながら、さぶらは業務に支障が出るレベルで人付き合いが苦手です。
特にヤバかったのが「同僚や上司に話しかける際は、30分~1時間かけて準備(覚悟)する必要がある」という点。

もちろん、ある程度慣れている相手ならここまでの時間は必要ありません。
それでも場合によって(相手が不機嫌そうなときなど)は、5分や10分くらいは様子を見ることもあります。

状況が落ち着いているときにはあまり問題にはならないのですが(大抵は前倒して作業を進めていたため)、緊急でバグ(不具合)対応しなければならないなどの際には、こんな悠長なことをしている暇がありません。
けれども、さぶらにとってこの様子見は絶対に必要なもので、どんな状況であっても決して省くことができないのです。

また相手によって(苦手な人など)は、1時間かけても覚悟できないことさえありました。
そういう場合は丸1日とか、あり得ないほどの時間をかけて覚悟を決めることになります。
話せば数十秒で終わる話をするだけなのに、こんなに時間をかけるだなんて、とてつもない非効率さです(実際これが原因で、問題が大きくなってしまったことも何度かあります)。

人付き合いが苦手な理由

そもそもなんで、そんなレベルで人付き合いが苦手なんでしょうか?

人付き合いが苦手な理由は人によってさまざまだと思いますが、さぶらの場合は至極単純です。
それは「他人が怖いから」
別の言い方をすると「他人を信用できない」のです。
信用できないというのは「自分に攻撃してこない、という保証はない」という意味のほうで、常に相手からの攻撃に怯え、刺激しないように必死なのです。

さぶらは幼いときから、人付き合いが苦手でした。
幼稚園や小学校低学年のときはいじめに遭いましたし、いじめられなくてもからかわれたりなどがあり、結果として交友関係は極めて狭く、それは長ずるにしたがって顕著になりました。
高校生のときには、クラスメイトの大半の顔と名前が一致しないまま1年が終わってしまったことさえありましたし、専門学校では40人程度いたクラスの中で、卒業まで(2年間)に会話できた相手は、わずかに3人だけでした。

こうなってしまったのにはそれなりの理由があるわけですが、それはまた別の話になるのでここでは触れません。
なので結論としては「他人から攻撃されるのが恐ろしすぎて、コミュニケーションが取れない」と解釈してもらえれば良いかと思います。

このように、もはや「人付き合いが苦手」というよりも「人付き合いが怖い」という領域にまで足を踏み込んでいる感すらある状態のため、付け焼き刃の対処法では意味がないというのが、さぶら自身の率直な感想でした(ものすごく根が深い問題なのです)。

「人付き合いが苦手」への対処法(さぶらの場合)

こうやって文章にしてみると、シャレにならないレベルで人付き合いが苦手なんだということが、改めて実感できます。
しかし、それでもなんとかしてこの問題に対処できなければ、まともに働くことはできません。

そのため、さぶらは以下のように考えました。

1.どこまで対処するべきかを考える

まずはこの問題に対して、どこまで対処可能かを考えました。

一般的に、人付き合いの苦手意識は克服すべきだといわれています。
しかしながらさぶらにとって人付き合いの克服は、うつ病そのものを克服するのと同等か、もしかしたらそれ以上の困難が伴うことが予想されました。
一刻も早くうつ病をなんとかしなければならない状況なのですから、人付き合いの克服に時間をかけている余裕はありません(当時は貯金も尽きていました)。

それに人付き合いは、必ずしも克服しなければならないとは限らない問題です(世間的には否定さそうですが、さぶらはそう思っています)。
一昔前とは違い、現在では働き方を選んだり、意識して工夫したりすれば、人付き合いを減らすことができます
そういった努力を惜しまなければ、支障がないレベルでの人付き合いに留めることも可能でしょう。

したがってさぶらは、「過度な人付き合いが必要になる働き方をしない」という方法で対応することにしました。

2.どんな人付き合いが苦手なのかを把握する

人付き合いは減らすことができますが、完全になくすのは困難です。
そのため次に、「どんな種類の人付き合いが苦手なのか」をハッキリさせることにしました。

「人が怖い」というのが苦手な理由であるさぶらは、他人と直接顔を合わせたり、同じ部屋で仕事をしたりなど、物理的接触がある時点で恐怖を感じてしまいます
しかし逆をいえば、それさえなければ問題ありません

そこで思い出したのが、ネット上の人付き合いです。
さぶらは過去、MMORPGと呼ばれるジャンルのオンラインゲームをプレイしていたことがありました。
このMMORPGでの人付き合いに関しては、ほとんど苦痛を感じていなかったのです。

MMORPGとは、用意された仮想世界の中で他のプレイヤーと一緒に冒険をしたりなど、コミュニケーションが可能なRPGゲームです。
他人と一緒に遊ぶことが前提のゲームであるため、現実世界と同じように人間関係が生まれます。
当然のことながら、相手との物理的接触はありません
また、あくまでもゲーム上に限った付き合いであるため、怒られたりさげすまれたりなどの攻撃を受ける可能性は低く、仮に怒られたとしても、それは大抵「ゲームが下手」という理由なので、人格が否定される恐れがほとんどありません
それでも心配な場合は、攻撃的・支配的だと思われる人との付き合いを避けることで、攻撃されるリスクを低下させることも可能でした。

このことから、インターネットを介したコミュニケーションであれば、さぶらにも問題なく行えるということに気付いたのです(ボイスチャットは無理です)。

3.理想的な職業(労働形態)を探す

ここまで理解できれば、あとは条件に合う職業(働き方)を見つけ出すだけです。

今までいろいろと考えてわかったことを総合すると、やはりインターネットを介したコミュニケーションがメインになる働き方が良さそうです。
具体的には、最近流行の「在宅ワーク」なんてのが良いかもしれない、と考えました(すらっと書いていますが、実際は数日かけて出した結論です)。

そこから在宅ワークに絞って調べた結果、特に「クラウドソーシング」と呼ばれる仕組みを利用した働き方が良さそうだ、という結論になりました。
クラウドソーシングは、インターネット(クラウドソーシングサイト)上で募集されている企業や個人の案件に応募して業務委託契約を結ぶ、という形での仕事になります。
契約もネット上で交わしますので、顧客と直接会うことはありません
またMMORPGと同様に、メールやチャットがコミュニケーションの中心になりますので、そういう意味でも好都合でした。

さぶらは現在も、クラウドソーシングで働いています。
決して十分な収入を得られているわけではありませんが、今はまだ実績と実力をつけることを優先すべき時期だと考えています。
現在のところ、働き方に不満を感じることはありません(永遠にクラウドソーシングを利用し続ける、という意味ではなく)。

メッセージでのやりとりしか発生していないため、予想したとおり、人付き合いに関してはとても快適です。
会話よりも時間がかかる点や、文字だけのコミュニケーションだからこその難しさ、というものがあるのは確かですが、慣れで十分にカバーができる問題です。
むしろそれを補ってあまりある、時間をかけて慎重に返答することができる、という大きな利点があります。
主張すべきことを主張したり、疑問点について気軽に質問したりできるという点を見ても、やはりさぶらにはこの形が適しているのだと思います。

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対処する上での注意点

最後に、「人付き合いが苦手」という原因に対処する上で、ぜひ気をつけてほしいと思うことを紹介して、おしまいにしたいと思います。

常識に振り回されすぎないようにする

世間一般では、「人付き合いの苦手意識は克服すべき」というのが大方の見方のようです(主観的な感想です)。
しかしながら、人付き合いの苦手意識がどこから生まれているのかを考えると、多くの場合において、言うほど簡単に変えることはできないだろうことが予想されます。
このような場合、周りが求めるレベルでの解決に拘らないほうが、かえって上手く行くかもしれません。

たとえば、「自分の時間を何よりも大切にする」という価値観を持っている人にとって、他人のために自分の自由な時間を奪われるということは、たとえ仕事だとしても耐えがたいことでしょう。
「仕事なんだからガマンすべき」と考える人がいるかもしれませんが、いくらガマンしたってストレスはたまるのです。
そのストレスによってうつ病が引き起こされているならば、それはなおさら「ガマンしろ」で済む話とはいえません。
このようなとき、自分の価値観を改造することで解決しようとしてしまうと、解決への試みそのものの難易度が高くなってしまいます

「人付き合いの苦手意識は克服すべきである」というのが常識だったとしても、「必ず克服しなければならない」というわけではないはずです。
「常識だから」という理由で実現不可能なことを目指し、ムダに疲弊するくらいならば、いっそ諦めて別の要素でカバーする、くらいのスタンスで良いのではないでしょうか。

人付き合いは「苦手ではない」レベルで十分

人付き合いが苦手な人が目指すべきレベルは「得意」ではなく、「並」であるべきです。
これはさぶらも勘違いしていたことですが、「人付き合いを克服する」ということは、「人付き合いを得意にする」ことや「人付き合いが好きになるようにする」ことを意味するわけではありません。

たとえば、餃子を作ろうとして消し炭ができあがるレベルの料理下手な人に対して、「プロレベルの料理スキルを身につけないとダメだ」なんていう説教をして、果たして意味があるでしょうか?
人付き合いに関しては、このような「無謀」といえるレベルにまで自分を引き上げなければならないと、勘違いしてしまっている人が多いように見受けられます(これは人付き合いの改善を求める側の人にもいえることです)。

しかしちょっとだけ、想像力を働かせて考えてみてください。
人付き合いが苦手すぎて病んでしまうレベルの陰の者が、誰に対してもフレンドリーで積極的なコミュニケーションを取るなんてパリピみたいなこと、できっこないとは思いませんか?
もちろんできる可能性はありますが、それには半年~1年、場合によっては5年や10年など、長期にわたる継続的な努力が必要となるでしょう。

うつ病の問題に関しては、5年も10年もかけている余裕はありません
したがって料理が絶望的にできない人は、プロレベルを目指すことはいったん諦めて、まずはまともに食べられるものが作れるレベルを目指すべきでしょう(どうしてもプロになりたいのであれば、人並みになってから改めて考えれば良いのです)。
同様に人付き合いの克服を目指すのであれば、得意になろうとするのではなく、業務に支障がない程度に、同僚とコミュニケーションが取れるレベルで十分だと考えるのが妥当です。

嫌われることを恐れないようにする

一昔前、「嫌われる勇気」というアドラー心理学の本が流行ったことがあったと思います。
アドラー心理学とは、アドラーさん(Alfred Adler)が始めた「個人心理学」と呼ばれる心理学の1ジャンルの別名で、何でも個人を中心に考える内容なんだそうです。

残念ながら、さぶらはアドラー心理学について、詳しいことはまったく知りません(なら話題に出すなって話ですよね、すみません)。
しかしながら対人関係において、全員から好かれるのは不可能であることは知っています。
とはいうものの、どうしても上司や同僚の全員から好かれようとしてしまい、必死になって疲れ果ててしまう、という人もいるのではないでしょうか。
他人が怖いさぶらも、当然そのタイプです。

もしも、ある程度まで対人関係の苦手意識をなくそうと試みようとするのであれば、こういった考え方は真っ先に改めなければならないでしょう。
陽キャが好きな人に合わせて陽キャを演じていれば、陽キャを嫌っている人から嫌われてしまうのは当然の話です。
相手に合わせて陽キャになったり、陰キャになったりするのはものすごく疲れますし、人によっては一貫性がないなどの理由から嫌われてしまう恐れすらあります。
そんな不毛なことは、するべきではないのです。

無理だと思ったら方向転換も考える

「嫌われることを恐れない」を実践するのは、人付き合いが苦手な人にとって困難極まりない問題でしょう。
少なくともさぶらは、口が裂けても「簡単」とは言えません。
なので当然、チャレンジすればすぐに身につけられるとは限りませんし、相応に挫折してしまう可能性もはらんでいます。

そのような理由から、「ぶっちゃけ無理」と思ってしまい、二の足を踏んでしまう人も少なくないはずです。
そういう場合には、無理せずに方向転換で対処できないか考えてみましょう

さぶらは無理だと悟ったので、すぐに方向転換して考えて、対面での人付き合いをしないで済む働き方を選ぶに至りました。
これも立派な対処方法であると、さぶらは思います。
(人間は決して万能ではありません。できないものはできないのです)

幸いなことに、近年は働き方の形や考え方が急速に変化してきています。
そのため一昔前に比べると、より多くの選択肢が見つけられる状況にありますし、今後も選択肢は増え続けるでしょう。

こういった事情もありますので、方向転換を考える際には、できるだけ柔軟に考えるようにしてみてください。

ーおしまいー

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