うつ病で休むなら傷病手当金を申請しよう!申請手順と注意点

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うつ病で休むなら傷病手当金を申請しよう!
うつ病
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うつ病になってしまった際の心強い支援である「傷病手当金」ですが、なかには

  1. 名前は知っているけど良く分からない
  2. 手続きがめんどくさそう
  3. お気持ち程度しかもらえなさそう
  4. なんかデメリットあるんでしょ?

というような、疑問やイメージを持っている人もいるんじゃないかと思います。
私もはじめてうつ病で休職した頃は、1~3の疑問を持っていました。

しかしいざやってみると、手続きはそんなに難しくないし、生活できるだけのお金はもらえるし、デメリットらしいデメリットも感じられず、「申請して良かったなあ」と素直に感じました。

今回は申請を迷っている人、良く分からずに困っている人が、少しでも傷病手当金の申請をやってみようと思えるように、傷病手当金の申請手順、注意点などについて説明しようと思います。

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傷病手当金とは?

まずは基本として、傷病手当金とは一体何なのかについて説明をします。
少々ややこしい話をしますが、すごく簡単に言ってしまうと「給料なくて大変だね。代わりにお金あげるよ」という制度です。

ちなみに傷病手当金には、税金(住民税、所得税)がかからないというメリットもあります。

うつ病で休んだ場合にもらえるお金

傷病手当金は、その名の通り「傷病」に対する手当金です。
つまり、仕事に関係ない理由で病気や怪我して、働けなくなった場合の生活を保障するための制度になります。

似たような制度に「労災保険」がありますが、こちらは通勤や業務中に怪我や病気になったときなど、会社に責任がある場合に使う制度です。

通常、傷病手当金の給付を受ける場合は、労災保険は申請しません
逆に労災保険を申請する場合には、認定までに時間がかかるため、まずは傷病手当金の給付を受けておいて、労災認定されたタイミングで傷病手当金を全額返納(同時に受給できないため)することが多いようです。

健康保険に加入していれば申請できる

傷病手当金は、健康保険から給付される手当金です。
従って正社員や公務員はもちろん、パートやアルバイトなどの非正規雇用であっても、健康保険に加入さえしていれば申請することができます

ただし自営業者など、国民健康保険に加入している場合は申請ができません(国民健康保険には傷病手当金の制度がないため)。

給料の約2/3の金額が支給される

傷病手当金に申請すると、給料の約2/3の金額が支給されます。
例えば毎月30万円の給料をもらっている人の場合、支給額は約20万円です。

また健康保険組合によっては、2/3よりも多めに支給される場合もあるそうなので、余力があれば一度確認してみると良いでしょう。

傷病手当金の申請をしよう!

うつ病で休職をするのであれば、傷病手当金によって最低限の生活費をカバーすることができます。
しかし受給することによるデメリットや、申請手続きの煩雑さ、給付条件などを心配して、なかなか申請に踏み切れない方もいると思います。

ここでは、そういった心配は必要ないことを説明したいと思います。

デメリットはほとんどナシ(ゼロではないが限定的)

傷病手当金を申請したり、給付を受けたりすることに対するデメリットは、生命保険への加入に不利になる、程度です。

会社での立場を考えるなら、休職そのものが不利な材料になる可能性はありますが、傷病手当金の給付は関係ありません。

むしろ申請しない場合に、もらえるはずのお金がもらえなくなる、というデメリットが発生すると考えるべきでしょう。
普段から健康保険にお金を払っているのですから、しっかりと給付を受けないと損になってしまいます。

申請手続きはそんなに難しくない

「申請手続き」と聞くと、何となく難しそうと感じる人が多いかもしれませんが、やってみるとそんなでもありません。

申請書にはたくさんの記入欄がありますが、本人が記入すべき箇所はそのうちの一部で、お決まりの住所・氏名・生年月日・連絡先などのほかに、申請期間、お金の振込先、傷病に関する記入、確認事項への回答があるだけです。
しかもそのうち、申請ごとに内容を変える必要があるのは、申請期間や病状などの1、2箇所だけです(保険組合によって申請書のフォーマットが異なるため、箇所数は目安です)。

仮に最初は手間取ってしまったとしても、休職中は何度か書くことになりますので、書いているうちに慣れてしまいます
もし心配なら、比較的調子が良い日に記入内容を調べて、メモしておくと良いでしょう

私の場合、初回こそ記入に30分以上かかりましたが、その際に残したメモを使うことで、2回目以降は1枚あたり5~10分程度で記入を終わらせていました。

基本的に申請すれば支給される

傷病手当金が支給されるには、一定の条件を満たしている必要があります。
しかしうつ病で休職している状態であれば、特に意識しなくても条件を満たしていることがほとんどだと思います。

以下に詳しい条件について説明しますが、もし心配なら会社の担当者などに確認してみましょう。
場合によっては、保険組合に直接問い合わせるのも良いでしょう。

傷病手当金が支給される条件

傷病手当金の支給が認められるには、以下の条件をすべて満たしている必要があります

健康保険に加入している(非正規でもOK)

傷病手当金は健康保険から給付されます。
従って、健康保険に加入している必要があります。

会社員は意思に関係なく強制加入させられていますが (試用期間でも) 、パートなど非正規雇用の場合、以下の条件を全て満たしている場合のみに加入義務が発生するため、未加入かもしれない点に注意してください。

  • 週20時間以上働いている
  • 給料が8.8万円以上
  • 勤務期間が1年以上になる見込み
  • 学生ではない
  • 被保険者数が501人以上の会社に勤めている
  • 被保険者数が500人以下の会社に勤めている場合、加入について労使合意している

「平成28年10月からは、従業員が501人以上の会社について、週20時間以上働く方などにも対象が広がりました。さらに、平成29年4月からは、従業員が500人以下の会社で働く方も、労使で合意すれば、会社単位で社会保険に加入できるようになりました」

パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象が広がっています。 | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン(2019年09月09日閲覧)

業務外の原因でうつ病になった

傷病手当金は、業務外の原因で発生した怪我や病気が対象です。
業務中や通勤中に発生した怪我や病気の場合は、労災保険が対象となりますので、注意してください。

うつ病で働けない

傷病手当金を申請する原因である傷病によって、働けない状態(労務不能)である必要があります。

本人が働けないと主張するだけでは認められず、医師の判断などが必要になります。
そのため、まずは心療内科などを受診して、医師の診断を受ける必要があります

4日以上休んでいる

合計で4日以上休むことで、傷病手当金の受給権利が発生します。
このうち最初の3日は「待機期間」と呼ばれていて、支給の対象外になります。
待機期間は連続している必要がありますので、「2日休んでから1日だけ出勤し、また翌日休んだ」というように、不連続であった場合は待機期間とみなされず、給付されません。

なお待機期間後は、出勤日があっても問題ありません(出勤日分は給付されません)。

休んでいる間の給料をもらっていない

休んでいても、給料をもらっている場合は給付されません
ただし、もらっている金額が傷病手当金として給付される金額よりも少ない場合は、差額分が支給されます(日額)。

併用不可の給付を受けている

労災保険、障害厚生年金、障害手当金、出産手当金、老齢年金を受給している場合、傷病手当金とは併用できないため給付されません。

ただし給付金額(日額)が傷病手当金の給付金額(日額)よりも少ない場合、手当によっては、その差額が支給されるものがあります。

傷病手当金の申請手順

では、実際に傷病手当金を申請する手順について見てみましょう。
手順の解説後、実際に私が行った申請の手順を、実例として紹介したいと思います。

休職に入る前に確認しておくこと

まずは休職に入る前に、申請書を取り扱う担当者と話をして、申請書の書き方、申請手順、申請タイミングなどを確認しておきましょう。
申請で心配事がある場合は、のちのち困らないように相談しておいてください

また可能なら、このタイミングで申請書をもらっておくと、用意する手間がはぶけます。

1.申請書を書く

休職に入り、申請するタイミングが近づいてきたら、早めに申請書を書き始めましょう
最初に申請書を書くとき、困った点、悩んだ点などのメモを残しておくと、後の申請時に困らなくて済みます

2.主治医に記入してもらう

申請書の記入が済んだら、次に主治医に記入をお願いする必要があります(医療担当者の記入欄があります)。

主治医は申請期間についての、あなたの病状、治療や指導の内容、診察日など、主に治療の結果を記入することになります。
そのため、当日まで(過去~現在)の情報しか記入できないという点に注意してください。

主治医に記入を頼む前に、申請期間が当日含む過去日になっていることを確認しましょう。

3.会社に記入してもらう

主治医の記入が済んだら、次に会社に記入をお願いする必要があります(事業主の記入欄があります)。
会社は申請期間についての、あなたの勤務状況や給料などを記入します。

4.申請書を郵送する(してもらう)

会社の記入が済んだら、申請書を郵送するなどして提出します。
基本的に提出は会社がしてくれると思いますが、場合によっては自分でやらなければならないこともあります。
速やかにお金を振り込んでもらえるように、可能な限り早いタイミングに提出しましょう。

なお保険組合での審査の結果、給付される場合には「支給決定通知書」が、そうでない場合は「不支給決定通知書」が郵送されます。

らいてぃんぐSabraの例

実例として、実際に私が申請をしたときの体験を紹介します。

休職前

休職に入る前、会社で何度か話し合いをしましたが、傷病手当金についての説明も受けました。
私は申請への不安を話すと共に、申請手順についての確認を行いました(担当の事務の人が理解あるやさしい人だったので、話すことができました)。

事務の人の提案

そのとき、事務の人が具体的な手順について提案してくれたので、その内容に従うようにしました。
手順は以下の通りです。

  1. 事務の人があらかじめ、申請用紙を用意してくれる
  2. 私は申請したいタイミングで、申請用紙に記入する
  3. 私が記入したら、主治医に記入をしてもらう
  4. 主治医に記入してもらったら、事務の人に連絡をして会社に向かう
  5. 事務の人に申請書を渡して、記入+提出してもらう

申請書への記入内容はメモしておく

休職開始前日、事務の人が10枚程の申請用紙をくれました。
私は毎月の申請が面倒だったので、2ヶ月に1回、2ヶ月分まとめて申請することにしました。
申請用紙は1ヶ月ごとに書くので、1回の申請で2枚書く感じです。

最初の申請はネットで調べたりしながら書いて、その内容をメモしておきました。
2回目以降は、そのメモを見ながら記入しました(1枚書くのに5~10分くらいでした)。

主治医への記入依頼

記入ができたら、診察のタイミングで主治医に記入をお願いします。

記入のお願いには、別途料金がかかりますので注意してください。
基本は1週間ほどで記入してもらえますが、タイミングによってはその場で書いてくれることもありました。

事務の人に申請書を渡す

主治医に記入してもらった後は、事務の人に連絡して申請書を手渡します。

事務の人は必要事項を記入した後、申請書を提出してくれます。
よって私にとっては、事務の人に手渡した時点で申請完了になりました。

このように、事務の人に協力をしてもらうことで手続きの簡略化が可能になります。
事務の人がいい人なら、お願いしてみてはどうでしょう?

傷病手当金の注意点

最後に、傷病手当金に関する注意点を紹介します。
以下の点に注意して、傷病手当金をうつ病治療に役立ててください。

有給消化中は支給されない

傷病手当金は、療養期間中の生活を保障するものなので、給料が支払われない休みの日に対してのみ支給されます。

有給休暇はご存知の通り、給料が支払われる休みです。
従って、有給休暇を利用して休んでいる間は支給対象にはならないので注意してください。

傷病手当金は事後申請

傷病手当金を申請書には、申請期間を記入する欄があります。
傷病手当金は事後申請ですので、この申請期間には未来の日付を書くことができません

例えば休職に入って1週間たったタイミングで、3週間先までの1ヶ月分を申請することはできません。

申請期間内に受診している必要がある

これはあくまで原則にすぎず、医師によっては受診していなくても対応してくれる可能性があります。
(私がお世話になっていた先生は、受診必須としていました)

ただし保険組合側が、受診がないことを理由に労務不能状態であることを認めない可能性もありますので、気をつけてください。

支給されるまで時間がかかる

傷病手当金は、申請してすぐに支給されるわけではなく、通常は1ヶ月程度かかります(タイミングによっては、もっと早いこともあります)。
ある程度余裕を見て申請するようにしてください。

なお具体的な振込予定日は、支給決定の際に郵送される支給決定通知書に記載されています
もし郵送前に目安だけでも確認したいという場合は、保険組合に問い合わせてみましょう。

復職してすぐに再休職する場合

もし残念ながら、復職してすぐに再休職することになってしまった場合、最初の支給日から1年6ヶ月以内であれば、また受給することができます

1年6ヶ月が過ぎてしまっていた場合は、同一傷病での支給は認められません。
ただし最後の支給日からある程度の期間働くことができていれば、同じ傷病でも別物と判断され、支給されることがあります。
期間は明確ではありませんが一例として、私は2年弱の間を空けて再申請したことがありますが、そのときは一度治癒したとみなされて支給されました。

復職せずに退職する場合

休職したものの復職が難しいなどの理由から、復職をせずに退職することになった場合、以下の条件を満たしていれば、支給期間中は退職後も(保険組合から離脱しても)受給できます。

  • 退職日の前1年以上の間、健康保険に加入していた場合
  • 退職時に傷病手当金を受給していた、または受給できる状態だった場合
  • 同一傷病での労務不能が、退職後も継続している場合

退職日に出勤すると支給が停止される

退職後も受給するつもりの場合、絶対に退職日に出勤してはいけません
なぜなら、退職後の受給条件に「退職時に傷病手当金を受給していた、または受給できる状態だった場合」といものがあるからです。

退職日に出勤してしまうことで給料が発生し、その日の傷病手当金の受給条件を満たさなくなり、退職後の受給条件を満たせなくなります
ただし退職日に有給休暇を使った場合については、「受給できる状態だった場合」とみなされますので大丈夫です。

傷病手当金には時効がある

傷病手当金の時効とは、すなわち申請期限です。
傷病手当金は労務不能で休んだ日の翌日から、2年が経過するまでが期限になります。

仮に未申請の休職期間が存在するなら、2年以内であれば申請できますので、時効前に給付を受けるようにしましょう。

ーおしまいー

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