うつ病が長期化した原因と対策・その3(自分に嘘をつく編)【さぶらの体験談】

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うつ病が長期化した原因と対策3「自分への嘘」
うつ病
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先日年甲斐もなく、推しのライブを見て大興奮したさぶらでございます。

みなさんは、自分に嘘をついたことはありますか?
具体的に例をあげると、本心ではやりたくないことを誰かに頼まれた時に、断りたい気持ちを抑えて「いいですよ!」と笑顔で答えたりする感じです。
自分の気持ちを無視するような行動や言動をしてしまう、ということですね。

うつ病になってしまうタイプの人は、このような「自分への嘘」が比較的多いのではないでしょうか?
理由は人それぞれでしょうが、「自分さえ我慢すれば、仕事がうまく回るんだから仕方ない」や「断ったら嫌われてしまうかもしれないから」というような内容が多いかもしれません。

もちろん、さぶらもそうやって「自分への嘘」を頻繁にしていました。
それが自分の心に、どれだけ大きなダメージを与えているのかも知らないままに......

というわけで、長期化しているうつ病に対するアプローチの例示と説明のために、さぶら自身の体験談を晒そうという企画の第3弾です。
今回取り扱う原因は「自分に嘘をつく」。

心当たりのある方も、ない方も、ひとつの例としてご覧くださいませ。

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「自分に嘘をつく」ってどういうこと?

さて、今回のテーマとなっている「自分に嘘をつく」ですが、なかには「どういうこと?」と疑問に思ってしまう人もいるかもしれません。
なので今回は、「自分に嘘をつくってどういうこと?」という話から始めてみようかと思います。

そんなのはわかりきってる!という方は、すっ飛ばしてこっちから読み進めちゃってください。

望まない「滅私奉公」

どうも日本には、いまだに「滅私奉公」を美徳とする風潮があるように思います(世代が上がれば上がるほど)。

「滅私奉公」とは「公(会社など)のために私利私欲を捨てて、ひたすらに尽くす」というような意味の言葉です。
なんとなく「サービス残業」とか「ブラック企業」といった言葉を連想してしまいますね。

この「滅私奉公」、何か大きな目的のために自ら進んで行うのであれば、さぶらは悪いものだとは思いません。
人生には、自分を省みず猛烈に努力すべき瞬間もあるでしょうし。

しかし残念なことに、時には望まない「滅私奉公」を強いられることもあります。

望まない滅私奉公は、「滅私」というよりも「殺私」に近い感じになりがちです。
「殺私」のイメージをわかりやすく表現するとしたら、「自分を殺して働く」でしょうか。

自分の感情に蓋をしてしまうこと

「会社のために自分を殺して働く」というのは、まさに「ブラック企業」における働き方そのものです。

「やりたくない」という素直な感情に蓋をして、やりたくもない休日出勤を求められても断らなかったり、あるいは同調圧力に負けて望まぬ残業を黙々とこなしてしまったりする人は、それなりに多いのではないでしょうか?

こういった働き方は、本人が(本心では)望んでいないのにも関わらず、自己犠牲的で破滅的な労働を強要されるという点において、本質的に強制労働と変わりがありません
これを受け入れてしまうと肉体的な疲労だけでなく、極めて高い精神的な疲労も受けることになってしまいます(場合によっては精神的・物理的なハラスメントや暴力も)。
常態化してしまうと、過労死などの重大な結果に結びつきやすくなります

しかしながら、そんな過労による突然死や自殺が問題視されるようになってからそれなりに経ちますが、いまだにそういった働き方を「してしまう」というケースは、大きく減っていないように思えます(多少は減っているのでしょうが)。
それは一体、なぜでしょう?

「やりたくない」を見なかったことにしたり、無かったことにしたりすると、代わりに都合の良い「嘘の感情」が勝手に用意されます。

たとえばそれは「チームのためにも、この仕事は手伝うべき」だったり、「この人にはいつもお世話になっているから、恩返ししなきゃ」だったり「みんなも我慢して残業しているのだから、1人だけ先に帰るわけにはいかない」だったり。
どれも一見もっともらしく、「これなら仕方ないな」と考えてしまいがちな理由です。

けれど、だまされてはいけません。
これは全部、本来の自分の感情に蓋をする行為、つまり「自分を殺す」ことを正当化するための嘘なのです。

自分の感情がわからなくなる

正当化のために用意された「嘘の感情」を使って、本当の感情を押し殺し、覆い隠すことを何度も繰り返していると、そのうち嘘と真実の区別がつかなくなり、本来の感情がわからなくなってしまいます

わかりやすい例として、ちょっとしたミニストーリーを用意してみました。

長い間、自分を殺して働き続けていた男が、ふとした瞬間に

「このままでいいのか……?」

と疑問に思いました。

我慢して現在の仕事を続けるのはもうイヤだからこそ、浮かんできた疑問でした。

しかしいざ「今の仕事をやめたら、何をするべきなのか」について考えはじめたとき、男はとんでもないことに気がつきました。

「本当は何がしたいのか」さっぱりわからなくなっていたのです!

これこそが、長期間自分に嘘をつき続けることで発生する「自分の感情がわからなくなる」という現象です。
意外と「あるある」な話だったりしませんか?

やがて自分自身さえもわからなくなってしまう

先ほどのミニストーリーを続けてみましょう。

自分が何を望んでいるのかわからなくなった男は、さらに恐ろしいことに気付きました。

「もし感情にまかせて仕事を辞めてしまったら、仕事しかない自分に、一体何が残るっていうんだ?」

毎日終電で帰宅し、朝は起きてすぐ会社に向かうという、まるで仕事に人生を捧げているような生活
かつては読書やスポーツなど、さまざまな趣味を持っていた男でしたが、気付けば何年もやっていませんし、再開しようという気にすらなれません。

「一体今まで何のために仕事をしていたんだろう......」

もはや男は、自分自身さえもわからなくなってしまっていたのです。

男は自分に嘘をつき、感情を押し殺して働いていました。
その結果、仕事をしていた理由のみならず、趣味や興味といった自分自身のことについてさえ、わからなくなっていたのです。

「自分に嘘をつく」ことが長期化の原因になった理由

「自分に嘘をつく」というのは、「自分を殺す」ことと同じです。
それを続けていると、自分の本心がわからなくなるだけでなく、やがて「自分自身がわからない」という状態にまでなってしまいます。
しかしそれが、どうしてうつ病の長期化につながるのでしょうか?

ここからは、さぶらのケースを例にして説明します。

自分を殺している状態

さぶらもおおむね、上で説明した通りのごまかし方をしていました。
つまり、こんな感じです。

  • 都合の悪い自分の感情を押し殺す
  • 押し殺した感情の代わりに、都合の良い感情を用意する

さぶらはシステムエンジニア(SE)の仕事をしていましたが、実は仕事が大っ嫌いでした。
しかし自分に嘘をつき、「自分には、SEの仕事しかできないから」という理由でごまかしていたのです。

これはまさに、「本来の自分(の感情)を殺している」といえる行為です。

常に何かを我慢していた

さぶらはそれ以外にも、仕事をする上でたくさん「自分への嘘」をついてきました。
その理由の多くは、周りの期待に応えるため、でした。

さぶらが自分を押し殺して我慢をした、実際のエピソードを紹介しましょう。

SEだった当時のさぶらは、会社のすぐ近くに住んでいました。
だいたい、歩いて15分くらいの距離です。

ある年、夏休みを利用して、当時開発していたシステムの連続稼働試験をすることになりました。
試験中は数日ごとに、システムの稼働状態をチェックする必要があり(勝手に止まってないか確認するとか)、誰かが出社しなければなりません。

例年通りであれば、誰かしら夏休み中に出社するはずなので、その人にちょっと確認を頼めば済む話です。
しかし残念なことに(?)、その年に限っては、夏休み中の出社を予定している人は誰もいませんでした。
上司が困った顔で「誰か出てくれないかなぁ(チラッチラッ」と言っています。

さぶらは引きこもりなので、夏休みに外出する予定なんかありません。
しかも自宅は会社から徒歩15分の距離。
数秒逡巡した後、さぶらは意を決して言いました。

「僕、出ましょうか」

我慢は「感情の抑圧」

さぶらは仕事が大嫌いでした。
1歩でも会社を出たなら、仕事や会社のことは一切考えたくないくらい大嫌いでした。
酒の席でわざわざ仕事や会社の話をする人間の神経が理解できないくらい、大嫌いでした。

当然、休日に仕事関連の資格勉強をするなどは、もってのほかです。
なぜならちょっとでも仕事を思い出すようなことをしてしまうと、途端にネガティブな気分に包まれて、何もできなくなってしまうからです。
(10年以上のキャリアがありながら、さぶらはIT関連の資格を何一つ持っていません)

そんなさぶらにとって、たとえ稼働状態を確認するだけ(30分あれば終わる程度の作業)であったとしても、夏休み中に会社に行くという行為は苦痛以外の何者でもありません。

しかしさぶらは、「同僚や上司に悪い感情を抱かれたくない」という理由で、そんな感情を抑圧しました。

さらにややこしいことに、さぶらは「他人を恐れている自分を知られたくない(自分にも他人にも)」という感情を持っていました。
そのため、「悪く思われたくない」という言い訳の感情まで覆い隠してしまったのです。

その結果、さぶらは「誰かがやらなければならない仕事だったから、近所に住む自分が名乗り出た」と思い込みました。
抑圧されたさぶらの感情は、このようにして言い訳に取って代わられ、心の奥底に生き埋めにされたのです。

なぜ苦しいのかさえわからない

解消されないまま生き埋めにされた感情は消えることなく、たとえ感情を埋めたことすら忘れてしまったとしても、心の奥底から苦しみを訴え続けます。
やがてさぶらは、この出所不明の謎の訴えに夜な夜な悩まされるようになり、徐々に寝付きが悪くなっていきました。
眠ろうと灯りを消して横になると、途端に胸の奥がモヤモヤしだして、息苦しくなってしまうのです。

原因も理由もわからない苦しみは、対処することができません。
仕方なく耳目を塞いでやり過ごしていましたが、もちろんそれで解決できるはずもなく。
そうこうしている間にも、生き埋めにされる感情は増え続け、苦しみの声も増していきます。

最終的にはやり過ごすことさえ難しくなり、ほどなくしてうつ病の症状が出始めることになったのです。

「自分に嘘をつく」ことへの対処法(さぶらの場合)

日常的に自分に嘘をついていたさぶらにとって、自分への嘘をやめることは非常に難しい試みでした。

ここからは、実際にさぶらが行った対処方法を、順番に紹介していきます。

1.自分に嘘をついていることに気付く

自分に嘘をついたら、すぐにわかりそうなものだと思うかもしれません。
しかし実際は、気付くことすら難しいです。

さぶらの場合、自分に嘘をついた瞬間を把握することができなかったので、過去の振り返って自分の嘘を探しました。
自分が今まで、どんな感情を生き埋めにしてきたのかを理解するためです。

2.なぜ嘘をついていたのか考える

どのような感情を生き埋めにして、どのような嘘をついたのかがわかれば、嘘をついた理由も見えてきます。

場合によってはさぶらのように、二重に嘘をついていることがあるかもしれません。
そういった場合は、1度考えただけでは見破れない可能性があります。
期間をおいて何度か考えるなどのやり方で、できるだけ正確に、嘘をついた理由を見つけ出すようにしてください。

理由を見いだすことができれば、自分の思考のクセや弱点が見えてきます。
たとえばさぶらの場合だと、「悪く思われたくない」「嫌われたくない」という理由が多かったことから、対人不安を抱えていることに気付くことができました。

3.ためしにひとつだけ正直になってみる

嘘をつく理由や、隠したい感情が把握できたら、そのうちのひとつについて、ためしに正直に表に出すようにしてみましょう。
できるだけ影響が少ないような出し方をするのがコツです。

たとえば対人不安が根底にある場合には、「悪く思われてもいい」相手(親友や家族、パートナーなど、心から信頼できる相手、という意味です)に対して、自分の正直な欲求を伝えてみる、などです。

さぶらが実際に試したのは、インターネットを介したコミュニケーションで本音をぶつけてみる、という方法です。
チャットなどを使って文字だけで伝えるのであれば、ちょっとしたトラブルならどうとでも言い訳できるはず、と考えたからです(幸いトラブルにはならず、うまくいきました)。

手軽なチャレンジによる小さな成功から、さぶらは「嘘をつく必要なんてない」という実感を得ることができました。 この実感を取っかかりとして、現在もさぶらは「自分への嘘をやめるチャレンジ」を継続しています。

対処する上での注意点

最後に今回も、対処をする上で注意してほしいと思う点をまとめて、終わりにしたいと思います。
注意じゃない内容も混じってますが、気にしないでください。

自分に嘘をついていた理由を明確にする

いくら自分への嘘が良くないからといって、いきなり嘘だけをやめる、というのは良くありません。

自分に嘘をついてしまうのは、そうせざるを得ない心理的な理由が必ずあります。
その問題を解決しない限りは、たとえ嘘を止めることができたとしても、別の形で問題が発生してしまうかもしれません。

嘘に対処する際には、その根本原因である心理的な理由を明確にして、対処するのが効果的です。

いきなり全部の嘘をやめようとしない

喫煙や飲酒といったあまりよろしくない習慣を、いきなりキッパリとやめるのは難しいです。
同じように、習慣化してしまっている自分への嘘も、いきなりキッパリやめるのは困難でしょう。

対策では、影響の小さなものから、ひとつずつやめてみることをオススメしています。
たとえそれがめんどくさかったとしても、いっぺんに全部やめるというのは現実的ではないように思います。

正直に生きているっぽい人を参考にする

現代においては、多かれ少なかれ自分に嘘をついてしまいがちです。
しかしなかには、一般よりも自分に嘘をつく頻度が少ないという強者も存在しています。

もし身近にそれっぽいと思える人がいるなら、ぜひその人の対応を注意深く見てみてください。
すべては無理だったとしても、部分的にマネできそうな部分や、応用できそうな要素を見つけ出せるかもしれません。

「そんな人は周りにいない!」という場合は、好きな有名人や偉人、アニメや漫画、ラノベのキャラを参考にする、という方法もあります。

こちらの場合、そもそも参考にできるような対応をしている場面に遭遇できないと思いますので、「あの人なら、パワハラ上司の無理強いにどう対応するだろうか?」などと、想像してみると良いでしょう。
ただし人によっては、到底自分にはマネできい、突拍子もない、現実的ではない、というような対応になる可能性もありますので、その点には注意してください(そういう意味で、キャラを選ぶべきかもしれません)。

ーおしまいー

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