皆様おはこんばんちは。
推しが出演するライブに無事当選したさぶらでございます。
さぶらはいい年をしたおっさんなので、全力でライブを楽しむために体力づくりを始めました。
ついでに腹を凹ませてやろうと、手始めに30日間プランクチャレンジにも手を付けております(現在4日目)。
さて、前回と前々回でARとVRを紹介しましたので、今度はMRについて書いてみようと思います。
医療界隈のMRとは関係ないですよ。
VR界隈に興味がない人にとっては、MRという言葉は聞き覚えがないかもしれません。
しかしMRこそ、将来的に多くの分野で利用される技術なのではないかと、さぶらは勝手に期待しております。
というわけで、今回は「MRとは何ぞや?」という疑問を解消していきましょう!
MRってなんだろう?
MRというのは「Mixed Reality(みっくすど・りありてぃ)」の略で、日本語になおすと「複合現実」になります。 VR、ARと並ぶ、R3兄弟みたいなものです(適当言いました、ごめんなさい)。
さて、すでに別記事で説明したVRとARですが、これらはいずれも技術を指す言葉でした。 MRもそんな感じではあるのですが、実は微妙に違います。
じゃあどこがどう違うんだ、というのはこれから説明していきます。
VRとARについては↓こちら↓からどうぞ。
[nlink url="https://writing-sabra.site/hobby/vr/intro-vr/" nlink_title="「VR」の解説はコチラ"] [nlink url="https://writing-sabra.site/hobby/vr/difference-vr-and-ar/" nlink_title="「AR」の解説はコチラ"]複合現実ってなんだ
複合現実というのは、とてもわかりにくい表現だと思います。
でもまあ、専門用語なんてのはみんなそんなものなので、ここはスッパリと諦めて簡単な言葉になおしてしまいましょう。
別記事でVRは「CGとかで本物っぽく作られた世界」、ARは「現実にVR要素をちょい足ししたもの」と説明しました。
同じようにMRを表現すると「現実+VR」になるでしょうか。
でもそれだと、ARの「ちょい足し」と表現が違うだけに見えます。
区別がつかないのは非常に困った話ではありますが、MRに関しては困って当然の話なのかもしれません(理由は次の見出しで!)。
MRは「仮想現実から拡張現実まで」を包含する技術概念
MRとVR・ARの違いは、『ポケモン』と『ポケモンソード』『ポケモンシールド』の関係にたとえることができます(ちなみにさぶらはピカチューとかしか知りません)。
『ソード』も『シールド』も、同じ『ポケモン』の新作ではありますが、ソフトとしては別物です。
それぞれ登場するポケモンが違うなど、内容にも微妙な違いはありますが、どちらも同じ『ポケモン』なので、ゲーム内でやること自体は変わりません(たぶん)。
同じように、VRとARも仮想現実に関連した特定領域の技術を指す用語で、中身は微妙に異なります。
しかし同時にこの2つは、『MR』という技術概念に含まれるものでもあります。
これを正確に表現すると、見出しの通り「仮想現実から拡張現実までを包含する技術概念=MR」となるわけです。
もっとわかりやすく!
非常にわかりづらいと思うので、図にしました。
これならきっとわかってくれると信じている。
おわかりいただけるでしょうか。
つまりMRというのは、ジャンルのようなものなのです。
で、そのMRというジャンルには、VR、AV、AR、現実というものが含まれている感じになります。
ちなみに現実までが一緒くたにされている理由は、こんな感じで考えているからです。
- VR=現実度0%:仮想現実度100%
- AV=現実度N%:仮想現実度M(>N)%
- AR=現実度n%:仮想現実度m(<n)%
- 現実=現実度100%:仮想現実度0%
このように、現実度と仮想現実度の割合で示せるというのが一括にされている理由です。
VRと現実が両極端で、AVはVR寄り(仮想現実度の方が高め)で、ARは現実寄り(現実度の方が高め)、という感じです。
ちなみに今回初登場の言葉であるAVですが、アニマルビデオではなくてオーグメンテッド・バーチャリティ(Augmented Virtuality、拡張仮想)の略になります。
意味としては「VRに現実をちょい足し」という感じで、たとえばVR空間内に現実のテレビ番組を映し出すスクリーンがあるとしたら、それがAVです。
でも実際の使われ方はちょっと違う
散々ややこしい話をしましたが、MRという言葉が「ジャンル」というような意味で使われるのは、現状ではたぶん学術的というか、そういう形式的な話の場合です。
たとえば「MRデバイス」というような文脈で使われる場合、MRは以下のようなことを実現するための技術という意味で使われます(リストはごく一部の例です)。
- 空間認識を行い、MRオブジェクトをMR空間に配置できる
- MRオブジェクトをジェスチャーなどで操作できる
- 複数人でMR空間を共有できる
文字だけだとわかりにくいと思いますので、こちらの動画でどんなもんなのか確認してみてください。
これはマイクロソフト『HoloLens 2』のプロモーション動画ですが、この動画内でやっているようなことができるのが、MRと呼ばれている技術です。
MRが体験できる代表的な機器
そんなMRですが、まずは実際に体験するために必要な機器を紹介しておこうと思います。
何に使われてるかは、その後で。
HMD
HMDはヘッドマウントディスプレイの略です。
VRとかのアレです。
基本はVRコンテンツに使われる機材ですが、MRはVRを含んでいるので「MRが体験できる機材」に該当します(屁理屈っぽいですが)。
以前、スタンドアロン型のHMD『Oculus Quest』に「MRモード」なる機能が実装されるとアナウンスされたことがあった気がしますが、実際に使えるのかは知りません(2019年11月現在、調べたけどなさそうでした。テキトウでごめんなさい)。
AR/MRグラス
2019年現在、MRの大本命はこのAR/MRグラスになります。
筆頭はなんといっても、マイクロソフトの『HoloLens 2』でしょう(画像は『HoloLens』)。
photo credit: amsfrank DSCF1150.jpg via photopin (license)
ちなみにARグラスとは、空間認識が可能なAR用のグラス型デバイスです。
普通のゴーグルにAR映像を表示するため、装着している人にはAR情報がちょい足しされて見えます。
MRグラスになると、ARだけでなくMRもできるデバイスになります。
スマートグラス
スマートグラスもAR(っぽいこと)ができるので、MR対応機器扱いにしました(厳密には含まれません)。
代表選手はGoogleの『Google Glass』です。
なお、スマートグラスは「AR(っぽいこと)にも対応しているメガネ」になります。
ARグラスとの違いは、空間認識ができないので単純に情報をAR(っぽい感じ)で表示するだけである、という点です。
photo credit: Max Braun Lisa for I/O Keynote via photopin (license)
スマホ
スマホでもがんばればMRを体験できます。
以下は『ダンボール型MRグラス だんグラ』のイメージ動画です(2019年11月現在、Amazonなどで購入可能です)。
鏡を使って、スマホの映像を現実に重ね合わせている感じですね。
MRの活用事例
おまたせしました。
いよいよ実際にMRが利用されている例をいくつか紹介してみようと思います。
これを見て、MRでできることをなんとなく把握してもらえれば幸いです。
ちなみに紹介するのはごくごく一部の例に過ぎません。
今後さらにMRを導入しやすい環境になれば、ますます活用事例が増えていくことでしょう。
ミーティング
株式会社南国ソフトが開発中の、『HoloLens 2』でMR会議ができるサービス『WHITEROOM for HoloLens』です(2019年11月現在、クローズドβテスト中のようです)。
→WHITEROOM for HoloLens
事前にアップロードしておいたオブジェクトを共有して見ることができるようで、実際の打ち合わせでも使えそうです(3Dオブジェクトがあれば)。
作業マニュアル・指示
詳しいマニュアルや作業指示を見ながら「ものづくり」ができたら、作業効率が上がりそうな気がしませんか?
下の動画は、トヨタのサービスエンジニアさん向けに作られた『HoloLens』向けアプリケーションの紹介です。
このように実際の車にCGの情報が重ね合わされて表示されることによって、確認すべき場所や内容が視覚的かつ具体的に理解できるため、作業効率だけでなく作業習熟度の向上も期待できます。
観光
すこし毛並みを変えて、さぶらの得意領域の話をば。
アニメの聖地巡礼に使えるアプリでの活用例になります。
→ミエナイキズナ
→行けるアニメ! 舞台めぐり
スマホアプリなのでどちらかというとARに分類されるものですが、MRはARも含むので入れちゃいました。
ソニーの技術『Sound AR』が使われているので、オープンイヤーヘッドセットで聞くと、周囲の音とキャラクターの声が自然に混ざり合って、本当に近くで話しかけられているような気分になります。
なお『ミエナイキズナ』は期間限定のコンテンツなので、残念ながらもうやってません。
動画の一部音声が立体音響に対応しているので、イヤホンかヘッドホンをつけてご覧くださいませ。
今後MRを導入する企業が増えてくる(主観的意見)
最後なので、さぶらの主観で〆たいと思います。
つらつらとMRについて説明と紹介をしましたが、おそらく今後『HoloLens 2』のようなデバイスがより安価になれば(2019年11月現在、『HoloLens 2』は法人向けのみ販売されています)、MR技術を使ったサービスも豊富になり、社員研修やオペレーション効率化のために導入する企業も増えてくるでしょう。
そのような状況になれば、ARとMRの区別はなくなっているかもしれません(今でもわかりにくいので)。
また当然、『HoloLens 2』以外にも有力なデバイスが登場するはずです。
AppleがMRヘッドセットに関連する特許を出願しているという話もありますし、Oculusシリーズを展開しているFacebookもARデバイスを開発していると発表しています。
GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)のうち3社がすでに参入しているわけですから、MRが流行らないはずがないですね!(と思う)
ーおしまいー